佐渡裕指揮! シエナ・ウインド・オーケストラ富士山河口湖音楽祭2025レポート ― 夏の風物詩として根付く音楽の祭典―

- 夏の河口湖を彩る「富士山河口湖音楽祭」とは
- ステラシアター30周年を迎えた特別な年
- 地域とともに作り上げる音楽祭
- シエナ・ウインド・オーケストラ30周年記念のスペシャルコンサートの楽しみ方
- 団員たちが語る、夏の河口湖で演奏する楽しみ
- アンコール曲:星条旗よ永遠なれ
- 音楽とともに楽しむ「河口湖の夏」
- 数多くの音楽イベントで盛り上がる河口湖
- 会場が一体となる圧巻のシエナスペシャルコンサート
- この夏の余韻を胸に、秋には再びシエナの音楽が全国を駆け巡ります!
- 佐渡裕指揮 シエナ・ウインド・オーケストラ演奏会《ブラスの祭典 2025》
富士山の麓・河口湖の夏を彩る毎年恒例のイベント「富士山河口湖音楽祭」
今年は開催地の一つである河口湖ステラシアターが30周年を迎え、例年以上の熱気に包まれました。
音楽祭が開催される8月9日~24日の期間、様々な音楽イベントが町のあちこちで開催。学生たちのパレードなどもあり、地域全体で盛り上がりを見せました。
音楽と自然、そして地域が一体となるこの音楽祭は、河口湖の夏を特別なものにしてくれます。毎年のように足を運ぶファンも、今年初めて訪れた人も、「夏の風物詩」として心に刻まれる体験をされたはずです。
夏の河口湖を彩る「富士山河口湖音楽祭」とは

ステラシアター30周年を迎えた特別な年
今年の富士山河口湖音楽祭は、開催地の一つである河口湖ステラシアターの開館30周年と重なる節目の年となりました。
富士山を望む自然豊かな環境に位置し、開閉式の屋根を備えたこの劇場は、古代ローマ劇場に似た半円形ですり鉢状の客席があるオープンな会場です。
そして、今夏このステラシアターでは、佐渡裕 指揮による、シエナ・ウインド・オーケストラ30周年記念のスペシャルコンサートが開催されました。
開館以来、数多くのアーティストや楽団がステージに立ち、地域の人々とともに音楽の喜びを分かち合ってきたステラシアター。
館長の野沢藤司さんも「地域の方も毎年シエナの演奏を心待ちにしており、音楽祭の柱となる企画となっています」と、毎年の恒例行事として楽しみにしていらっしゃるご様子でした。

ステラシアター館長の野沢藤司さん
地域とともに作り上げる音楽祭
富士山河口湖音楽祭の大きな特徴は、ステージの内外で地域が力を合わせて支えている点にあります。運営には多くの地元ボランティアスタッフが関わり、出演者との交流も積み重ねられてきました。長年の関係性と運営事務局の強い思いが重なり、地域全体に「迎える文化」が根づき、この音楽祭を育てているのだと思われます。

多くのボランティアスタッフ

団員が毎年楽しみにしているBBQの仕込み
また、近隣のコンビニエンスストアでは、店内いっぱいにポスターを掲示し、訪れるお客さんに積極的に音楽祭をアピールしています。
マネージャーの鈴木さんは「演奏会のために遠くから来てくださる方もいて、店として応援したい。ステラシアター館長さんの『街中を音楽の街にしたい』という想いを聞き、町全体で応援したい」と語り、店内の様子は音楽祭がいかに地元に根付いているのかを象徴していました。

近隣のコンビニエンスストア店内の様子

夏のシエナを毎年楽しみにしています!
お店が開店した当初は、鈴木さん自身も地域の方も「吹奏楽」にあまり馴染みがなかったそうですが、毎年続くうちに吹奏楽にも慣れ親しみ、今では毎年恒例の夏のイベントとして楽しみにしているとのことです。
観客と演奏者だけでなく、町の人々も一緒になって作り上げる——それが富士山河口湖音楽祭の魅力のひとつだと感じます。
シエナ・ウインド・オーケストラ30周年記念のスペシャルコンサートの楽しみ方
団員たちが語る、夏の河口湖で演奏する楽しみ
シエナ・ウインド・オーケストラスペシャルコンサートに向け、団員のみなさんにもお話をお聞きしました。
「シエナ独自の“音楽のおもちゃ箱”という観客の皆さんと一緒に盛り上がれるコーナー」など、夏のステラシアターという会場の特性にあった演目のお話などをお聞きできました。
なかでも、シエナ・ウインド・オーケストラ、アンコールの定番曲「星条旗よ永遠なれ」では、観客もステージに上がって演奏に参加します。今年も夏の一大イベントとして、多くの方に楽しんでもらいたいとの声が聞けました。
一方で、団員のみなさんは、河口湖にくること自体も楽しまれていました。
仲間と行きつけのお店で食事をしたり、周辺でキャンプをしたりと、河口湖ならではの時間を満喫している声が多く聞かれました。
夏のイベントとして、団員達も地元の名物グルメや湖畔の風景を味わいながら、河口湖音楽祭を楽しんでいるようです。
アンコール曲:星条旗よ永遠なれ
今回のスペシャルコンサートでは、シエナ・ウインド・オーケストラの首席指揮者である佐渡裕さんの指揮となりました。佐渡さんからは、お客様も演奏に参加するシエナ定番のアンコール「星条旗よ永遠なれ」に関して、お話をうかがいました。

シエナ・ウインド・オーケストラ 首席指揮者 佐渡 裕さん
佐渡:
一般の方が参加する「星条旗よ永遠なれ」は、うまく演奏できる、できないは気にしないでいいんです。指揮者が8人くらいいても、それはそれでおもしろいなと思っています。
シエナのメンバーも技術を披露して拍手をもらう一方通行のようなやり取りだけでなく、「星条旗よ永遠なれ」でお客さんと一体になれる喜びを感じてきていると思います。
音楽というのは、人と人が一緒にいる、一緒に音楽を通して喜びを感じられることが最終目的だと思っています。
音楽とともに楽しむ「河口湖の夏」
数多くの音楽イベントで盛り上がる河口湖
富士山河口湖音楽祭では、特定のホールだけで演奏される訳ではなく、町の各所で様々な演奏会が行われます。取材に伺った日は、近くに合宿に来ていた習志野高校の学生たちが、一般道をパレードする姿も。

習志野高校による路上パレード
町の各所で「富士山河口湖音楽祭」ののぼりが飾られ、地域全体で音楽が響き渡っていました。

街中で見かける富士山河口湖音楽祭

ステラシアターの外でも演奏会
会場が一体となる圧巻のシエナスペシャルコンサート
シエナスペシャルコンサートは、佐渡裕さん指揮の圧巻の演奏、宮川彬良さん指揮の観客と一体になれるプログラム、そしてお二人のトークショーと、多彩な内容で観客を魅了しました。

迫力のシエナサウンド

サプライズで佐渡さんがサックスを演奏

夏のシエナの風物詩『マンボ隊』が会場を盛り上げます

佐渡さんと宮川さんのトークも魅力の一つ

習志野高校生も参加し会場全体で盛り上がるシーンも

ピッコロソロ演奏中の横で楽しそうな佐渡さん

地元の学生と共に演奏するシーンも

大いに盛り上がり感動のラストシーン
演奏に耳を澄ますと、オープン式のステラシアターならではの演出のように、外からはセミの合唱や鳥のさえずりが響き、音楽と自然が溶け合う不思議な一体感を味わうことができました。

夏らしい雲の切れ目からは夏の日差しが

セミの鳴き声、鳥のさえずりが聞こえるステラシアター
夏のステラシアターでしか体験できない、心地よく特別な時間。
ぜひ来年も多くの方に楽しんでいただきたい、夏の一大イベントです。
この夏の余韻を胸に、秋には再びシエナの音楽が全国を駆け巡ります!
佐渡裕指揮
シエナ・ウインド・オーケストラ演奏会
《ブラスの祭典 2025》
大迫力かつ繊細なブラス・サウンドで描く壮大な物語の世界
