ジャズの新鋭 松井秀太郎さんからの熱いメッセージと、指揮 横山奏さんが語るプログラムの作り方

- 1)演奏直後の松井秀太郎さんに直撃インタビュー
- 2)ジャズを交えたプログラムの作り方(指揮 横山奏さん)
- 松井秀太郎さんのトランペット2曲を元にプログラムを構成
- 3)シエナの皆さんとひとつになれた!(松井秀太郎さん)
- 4)インタビューを終えて
- 全てに共通していた思い
- 5)客席からの声も熱かった〜来場された方たちの感想
- 6)シエナ・ウインド・オーケストラの楽しみ方
- シエナ・クラブに入会しよう
- シエナ・ウインド・オーケストラのSNSをフォローしよう
1)演奏直後の松井秀太郎さんに直撃インタビュー

松井秀太郎さん
ジャズの新鋭 松井秀太郎さんを迎えて、シエナ・ウインド・オーケストラ第57回定期演奏会が行われました。文京シビックホールで演奏を終えたばかりで、ステージでの興奮の余韻が漂う松井さんにお話を伺いました。
演奏を終えられた今のお気持ちは?
松井:
もう幸せです!これはホントに夢だったので。叶うとは思っていなかった夢。小学生のときにテレビで見ていたシエナさんは、目標とする想像ができないくらいの存在で、憧れでした。それがシエナさんのコンサートで自分がソリストって!それも自分の書いた楽譜で!
アルチュニアン(トランペット協奏曲)もクラシックとは違う解釈だったりするので、どうなるかドキドキだったのですが、すごく楽しかったです。

もう幸せです!これはホントに夢だったので。
リハーサルはどのように行われたのですか?
松井:
リハーサルは3日間でしたが、1日目は「死の舞踏」の楽譜(松井氏の編曲)をチェックするだけで、私が吹いたのは2日目3日目でした。吹いたというよりリハーサルでは確認するだけでした。私はアドリブが多いので、音楽のことだけを考えて吹いたのは今日が初めてでした。ぶっつけ本番はジャズでは当たり前なのですが、シエナの皆さんにも今日それをやっていただいたという。シエナの皆さんが素晴らしすぎて、本当に楽しかったです。(後半に続く)
2)ジャズを交えたプログラムの作り方(指揮 横山奏さん)
指揮、横山奏さん
- A.ゴーブアウェイデイ
- P.スパークドラゴンの年(2017年版)
- A.アルチュニアン/上埜孝編曲トランペット協奏曲
- ―休憩―
- S.ブラッドリー(J.ベッリーニ編曲)トムとジェリー(ブルー・キャット・ブルース)
- C.サン=サーンス(松井秀太郎編曲)ダンス・マカブル(死の舞踏)
- M.A.アルボバレエ
松井さんがソリストで参加したのは、アルチュニアン「トランペット協奏曲」と、「ダンス・マカブル(死の舞踏)」の2曲。そのうち「ダンス・マカブル(死の舞踏)」は、松井さんご本人がこの日のために吹奏楽曲として編曲しました。
シエナ・ウインド・オーケストラの企画委員と共に、この2曲を元にしたプログラムの構成を考えた指揮の横山奏さんに、プログラムについてのエピソードをお聞きしました。
今回のプログラムはどのように構成されましたか?

終始朗らかな笑顔の横山奏さん
松井秀太郎さんのトランペット2曲を元にプログラムを構成
横山:
シエナの企画委員の方々と僕でプログラムを決めたのですが、ほぼほぼ僕が希望した曲になっています。今回は松井秀太郎さんがソリストということで、彼はもちろんジャズの第一人者ですし、きっと楽しい演奏をしてくれるんだろうなと期待していました。実際そのように演奏してくれています。
構成については、彼が参加するアルチュニアンと、彼オリジナルのジャズテイストのナンバー「ダンス・マカブル(死の舞踏)」、この2曲を中心にどういうプログラムにすればよいかをまず考えました。
その結果、僕が思ったのは、あまり深刻なものや難しい内容のものではなくて、ひたすら聴いて楽しい曲を選ぼうと。すごくシンプルなことですが、そういうことを根底に置いて選曲をしました。初めて聴く人にとってもすぐに楽しめる曲ばかりだと思います。

ゲネプロ(本番前のリハーサル)の様子
僕が吹奏楽のレパートリーを考える上でいつも気にかけているのは、一度やってみたい曲を一過性で選ぶのではなく、この先の自分の指揮者人生の中で何回でも何十回でも取り組みたいと思える曲を選ぶこと。そういう曲を探すのが、僕が吹奏楽において求めているレパートリー探しです。
実は、聴いて楽しい曲というのは、演奏するのがけっこう難しかったりするものです。演奏するほうにとってはシビアでチャレンジングなもの、さらに内容的にも楽しい、というものを選びました。
3)シエナの皆さんとひとつになれた!(松井秀太郎さん)

松井秀太郎さん、終演後のサイン会にて
この日のために編曲した「死の舞踏」について、松井秀太郎さんにさらに聞いてみました。
松井さんが楽譜を作っているときのイメージと、実際に演奏したイメージに違いはありましたか?
松井:
シエナの皆さんが本当に素晴らしいので、「こういうふうに解釈してくださったのか!」と、自分が書いていたときに思い描いていたイメージを超えていて感動しました。これでいいのかな…と思っていた部分も、シエナの皆さんが軽々と演奏してくださって。
自分がめざしている世界に、シエナの皆さんが連れていってくださいました。皆さんとひとつになれました。

舞台袖での様子
今日は吹奏楽でしたが、普段のジャズのステージとの違いを教えてください。
松井:
ジャズのビッグバンドでは基本15人。でもビッグバンドでは今日のように前に出て吹くことはありません。そして普段は2人で演奏しています。
今日の「死の舞踏」は、私を入れて52人。その中でも吹奏楽器が多いので、分厚いじゃないですか。吹奏楽器独特の音のニュアンスが束になって、自分がめざしている豊かさがありました。
吹奏楽やジャズなど、音楽をやっている方にメッセージをお願いします。
松井:
私自身は、自分が「かっこいい」と思う音楽をやるようにしています。今日もシエナの皆さんが素晴らしい中で、どうしたらいいのだろうと思いがちですが、自分がかっこいいと思う感覚を頼りにやるようにしています。
人にもよると思いますが「これは全然好きじゃなかったな」という音楽があってもいいと思っていて。自分が好きなものを探せばいいと思っています。

舞台袖での様子
コンサートにいらした小学生など学生の皆さんにメッセージをお願いします。
松井:
私が初めてコンサートに行ったのは、中学生のときでした。コンサートで音楽を聴くのは全然違いました。
子どものときから「生の空気」を大事にしてもらいたいと思います。スマホで音楽を聴けるメリットを感じることもあるけれど、こういう生のコンサートを聴くメリットは全然違います。コンサートで生の演奏を聴いて、そこで響いている音を感じて欲しいなと思います。
最後にシエナの皆さんにメッセージをお願いします。
松井:
ぜひまた、ご一緒したいです!また(楽譜を)書きたいです。
今回と違い、次回は皆さんの顔を思い浮かべながら書けます。やりたいことが膨らみます。次があったら本当に嬉しいな。
4)インタビューを終えて
全てに共通していた思い
「この先の自分の指揮者人生の中で、何回でも何十回でも取り組みたいと思える曲を選ぶ」という横山奏さん(指揮)と、「自分がかっこいいと思う感覚を頼りに、自分がかっこいいと思う音楽をやる」という松井秀太郎さん。おふたりの思いは共通しています。シエナ・ウインド・オーケストラのコンサートは、そんな出演者やメンバーひとりひとりの音楽に対する熱い思いがたくさん響いてきます。ぜひコンサートで生の空気に触れて、シエナ・ウインド・オーケストラから響いてくる音を客席で感じとってください。
SNSで「ひとつのコンサートでたくさんの映画を観た気分です」という感想を見かけましたが、我々シエナ取材班も全く同じ思いのコンサートでした。
5)客席からの声も熱かった〜来場された方たちの感想
最後に、今回のシエナ・ウインド・オーケストラのコンサートに来場された方たちの声をぜひお読みください。
ゆりかさん、しおりさん、もえこさん

素敵な演奏でした。また来たいです!
シエナさんのコンサートは中高時代に聴いたことがありましたが、大学生や社会人になって離れていました。今日は久し振りでしたが、力強く響く音があったり、柔らかい音があったり、音色が多彩で素敵な演奏でした。また来たいです。
実は松井さんと小学校時代の同級生でした。当時から雰囲気が柔らかくて、それが音にも表われていると思いました。
松井さんは、ジャズで吹いているのとまた違って、今日の吹奏楽も素敵でした。シエナさんの演奏も音圧もすごくて、楽しかったです。
べーはまさん、Kさん

「チューバをやっています」「僕はユーフォです」
テレビやYouTubeで見て、松井さんのファンです。シエナは5年前のブラバンディズニーに来たことがあります。“死の舞踏”は松井さんの編曲で、楽しみにしていました。とても良かったです。松井さんとシエナ、またやってほしいです。
シエナは初めて聴きました。今まで地元で聴いていた吹奏楽に比べて、人数も技術も格段に上で、“トランペット協奏曲”は鳥肌が立ちました。また来たいです!これからも応援したいので頑張ってください。
ぽこさん

シエナがジャズになっていて興奮しました!
松井さんのファンで、サントリーホールに何度か行っています。シエナさんも好きで何度も来ています。アンコールの“星条旗よ永遠なれ”もトランペットで参加したことがあります。
今日のコンサートは、実に素晴らしかったですね!シエナがもうすごい!
1曲目が難しいとのことでしたが、2曲目“ドラゴンの年”もあんなにできないと思いました。
今日はシエナがジャズになっていた。アルチュニアンがジャズになっているのは本当にすごい。松井さんのカデンツァもすごいし。サン=サーンス(死の舞踏)もあんな風になるとは思わなかったので興奮しました。
シエナさんは吹奏楽でも、迫力があって、エキサイティングなところが好きです。
今日はすごい勢いでジャズになっているのが新鮮で感動しました。本当に素晴らしかったです!ありがとうございました。
Hさん
松井さんのライブには何度も行っています。いつもはジャズですが、ジャズのライブでもやっている曲を吹奏楽のバージョンでやってくれたので、とても新鮮でした。いつもの松井さんのライブと少し違う感じで聴けたことがよかったです。
わさびいもさん
とにかく演目がよかったです!どの曲も楽しくて、一曲の長さも長過ぎず飽きる事なく聴けました。素人の耳にも聴きやすい、わかりやすい(簡単という意味ではない)曲でした。“ドラゴンの年”以外は知らない曲だったので、楽しめるかな…という不安がありましたが、聴いてみたらとてもよかったです。素敵な曲との出会いの場となりました。横山奏マエストロの丁寧な音作りにアツくなりました。
Kさん
松井さんのトランペットは初めて聴きましたが、震えました。ハートを射抜かれました!松井さんもシエナさんも最高でした。
saraさん
想像を遥かに超えるコラボレーションでした。松井さんのソロの際に、ゾクゾクするような低音や多彩な音色で演奏されているところを、シエナの皆さんが我が子を見守るかのように素敵な笑顔で見つめられていらっしゃったのがとても印象に残っています。
ピンクピッコロさん
松井さんのようなトランペット演奏する方は私、初めてでした。高音等含めて、サラッと吹いているようにも見えましたが、強弱と共に松井さんの人柄があらわれた演奏に感動しました。
またそれがシエナの演奏とマッチしていて良かったです。シエナの迫力ある演奏…皆さん1人1人の心のこもった演奏力や音色の素晴らしさがいつ聞いても完璧で感動します。またシエナの演奏会に行きます。
6)シエナ・ウインド・オーケストラの楽しみ方
この日は、楽器を持ってきた観客たちとステージ上で演奏する、というお馴染みのフィナーレ(アンコール)曲「星条旗よ永遠なれ」があり、松井さんも一緒に演奏を楽しみました。




さらに終演後のロビーでは、シエナ・ウインド・オーケストラのファンクラブ「シエナ・クラブ」の懇親会も行われ、シエナのメンバーと一緒に、横山奏さんや松井秀太郎さんもシエナ・クラブの会員の皆さまとの歓談を楽しんでいました。
シエナ・クラブに入会して、ステージ以外のメンバーの素顔にぜひ触れてください。


シエナ・クラブに入会しよう
公演情報を優先告知の他、会員割引料金でチケットが購入できる。またゲネプロ(本番前のリハーサル)に客席で参加したり、終演後のシエナのメンバーとの懇親会(今回は横山奏さんや松井秀太郎さんも参加)も行われる。
詳細はこちら https://sienawind.com/members/sienaclub
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