SIENA TUBE RADIOに「松井秀太郎さん」が登場!ジャズの新鋭が感じるシエナ定期演奏会の聴きどころとは?

こんにちは!シエナ取材班です。

突然ですが、シエナ団員が自ら発信するYouTubeの動画付きラジオ番組『SIENA TUBE RADIO』をご存じですか?

リスナーの皆様とのリアルタイムでのやりとりも交えながらシエナ団員がMCを務め、ただただ楽しいおしゃべりをお届けするレアでファンキーな番組です。このたび第29回目の配信に最近各種メディアなどでも注目されているジャズの新鋭 松井秀太郎さんが、ゲスト出演をされるとのことで、取材に伺ってきました!

松井秀太郎さんは、2025年6月7日(土)に開催されるシエナの第57回定期演奏会にソリストとして出演されることになっており、今回の配信では定期演奏会に向けたお話やトランペットを始めた理由、普段の生活のことなど盛りだくさんのお話を聞ける内容でした。

MCはいつも軽快なトークで配信を盛り上げてくれるトランペット奏者の熊代 祐子さん、番組ディレクターは打楽器奏者の東 佳樹さんです。

ゲスト:松井秀太郎さん

国立音楽大学附属高等学校を経て同大学ジャズ専修を首席で卒業。
高校ではクラシックを専攻していたが、大学入学を機にジャズ専修へ転向。
現在は自身のリーダーライブ公演やソロ活動の他に、アーティストサポートやスタジオミュージシャンとしても幅広く活動しており、ジャンルを超えたマルチな才能に注目が集まっている。
2025年6月7日(土)に開催されるシエナ・ウインド・オーケストラ第57回定期演奏会~ジャズの新鋭 松井秀太郎を迎えて~では、ソリストとして出演する。

MC:熊代祐子さん

「松井さんとは、演奏会などでお会いしてもゆっくりお話をする機会はなかなか取れなかったので、今回の配信は楽しみにしていました!
同じ楽器を使う演奏家として、好きなプレーヤーやトランペットに関するお話もぜひ伺いたいと思っていますが、松井さんは柔らかい雰囲気の中にもどこかミステリアスな印象も感じられる方なので、他にも様々なお話をしてみたいと思います。」

■松井さんとトランペットの出会い

○初めての吹奏楽はシエナ

熊代:
学生時代のお話をお聞かせいただきたいのですが、当時はどのような日々を過ごされていましたか?

松井:
小さいころから音楽は好きだったのですが、家族に音楽が詳しい人はいなかったので、小学生の頃にTV番組でシエナさんの演奏を聴いたのが、吹奏楽というものを初めて聴いたタイミングであり、唯一の音楽に関しての情報源でした。

家にあったキーボードでよく遊んでいたこともあり、ピアノを習わせてもらっていたのですが、基礎練習を真面目に取り組めず、すぐに辞めてしまっていました。

小学3年生では金管バンドに入り(当時トランペットしか知らなかったのですが)オーディションでトランペットを希望し、トランペットを始めました。

小学生の頃は、休み時間や放課後に友だちと音楽室に集まって演奏をして遊ぶといったこともしていたので、当時は自分がトランペットで生きていくことになるとは思っていませんでしたね。
中学校は吹奏楽の強豪校でしたので、そこから本格的な活動を始めました。

○恩師:玉寄先生

松井:
小学生の頃は岩手に住んでいて、金管バンドでトランペットを始めました。中学校も岩手で吹奏楽をやっていたのですが、祖父母の家の学区にあった羽村第一中学校に転校をしました。演奏会を小さい頃からよく聴きにいっており、憧れていたんです。
当時、学校で教えてくださっていた玉寄先生は本当に恩師です。

熊代:
玉寄さんは、シエナにもご出演いただいたことがあるんですよ。

松井:
そうなんですよね。

○吹奏楽を志すみなさんへのメッセージ

熊代:
吹奏楽に取り組む中高生に、お薦めのプレーヤーや、聴いてほしい曲はありますか?

松井:
吹奏楽のコンサートに行ったり、吹奏楽の曲をたくさん聴いたりすると思うのですが、吹奏楽ではないジャンルで吹奏楽の楽器が使われている曲を一度聴いてみてほしいです。

例えばビックバンドとか、私もよくやってみたりします。それで、私自身衝撃を受けて価値観が変わったこともあるので、ぜひいろんなジャンルを聴いてみてください。

熊代:
自分の楽器以外の曲もキッカケがないとあまり聴かないかもしれないですしね。

■普段の生活や趣味

○音楽が趣味

熊代:
トランペット以外で興味のあることはありますか?

松井:
あんまりなくて…カフェ巡りとか(笑)そのために遠出まではしないのですが、ちょっと早く家を出てカフェに行ってみる、とかですかね。

熊代:
コーヒーがお好きなんですね。ゲームとかはしたりします?

松井:
やらないんです。小さいころからゲームとかはやらず、友だちと遊ぶのも音楽が絡んでいたんです。

熊代:
なるほど。普段、お休みの時はどんなことをされていますか?

松井:
あまりオンオフの境目がなく、どっちにしても楽器は吹くし…、ちょっと遅くまで寝てる、とかですかね(笑)

熊代:
いいですね!

○演奏してみたい楽器

熊代:
トランペット以外で演奏してみたい楽器はありますか?

松井:
全部やりたいと思うタイプなんです(笑)
今は、全然練習できていないのですが、チェロを少しやっています。
さらにフルートもやってみたくなってきて、、、それが、自分の息抜きなのかもしれません。

ベースを弾いたり、ドラムを叩いたりもしていたんですが、ジャズでもクラシックでもないジャンルにも挑戦していますね。

■トランペットのこと

○影響を受けたプレーヤー

東:
影響を受けたプレーヤーはいますか?

松井:
ウィントン・マルサリスです。
初めてウィントンの演奏を聴いたのがハイドンだったのですが、その頃はクラシックをやっておりハイドンも吹いていたので、「こんなうまい人がいるんだ!」と思ったら、なんかジャズやるらしい!と。
出会っていなかったら、ジャズをやっていなかったかも…というくらい、影響を受けています。

○プレーヤーとして譲れないこと

熊代:
プレーヤーとして、譲れないことはありますか?

松井:
自分の解釈、自分の意思を必ず持つようにしています。
自分で曲を書いたりアレンジをする中で、「(普通は)こんな感じかな?」「(普通は)こうしたほうがいいかな?」という考えになるよりは、「(自分が)こうやりたい!」という気持ちを持てるようにしています。

○楽器へのこだわり

東:
楽器へのこだわりはありますか?

松井:
比較的こだわらないというか、あまり変えないほうです。
マウスピースは、中学1年生の頃から基本は変わっていなくて、ヤマハの11C4を使っています。入門編のものではあるのですが、自分に合っていて使っていますね。楽器もヤマハを使っています。

■セカンドアルバムのタイトルに「死の舞踏」を選んだ理由

○「死の舞踏」が好きだったから

熊代:
シエナの第57回定期演奏会でも松井さんご自身による新アレンジでご一緒させていただく、セカンドアルバムのタイトル曲「死の舞踏(DANCE MACABRE)」ですが、CDに収録された理由を教えてください。

松井:
カッコいいからですね(笑)

「死の舞踏」はクラシックをやっていた頃から好きだったのですが、トランペットがメロディーではないじゃないですか。なので、やる機会がなかったのです。

「死の舞踏」のように、メロディーがものすごい強くて、そこにエネルギーがある感じがする曲は即興で演奏した時に、その世界がもっと広がる感じがします。
そういうシンプルだけどステキなメロディーって、メロディー自体が力を持っているので、割と和音を変えることができるんです。

自分の中で「死の舞踏」をこういう風に演奏したいな、という気持ちが出てきて選びました。

熊代:
オーケストラの原曲ではソロ楽器がヴァイオリンなので、私はなかなかトランペットと結びつかなくて、なぜこの曲を選ばれたのだろう?と思っていたのでした。

松井:
好きだからですね。やりたくなってしまって。

アルバムはニューヨークで録ってきたんですけど、「死の舞踏」はできたらやろうかな、くらいだったんです。基本的に自分の曲を録音するのが普通ですよね。タイトルにするとかも、全然思っていなかったんです。

でも、現地のミュージシャンからは、いいアイデアだね!といった声をかけてもらい、演奏もとても楽しかったので、「死の舞踏」をタイトルにすることにして、ツアーも行いました。
そうしたら、今度は吹奏楽編成で、シエナとご一緒できることになって!

○シエナとの共演版アレンジ


熊代:
今回演奏することになる「死の舞踏」のアレンジは、どのような感じになりましたか?

松井:
自分のアルバムに収録した内容は一回忘れて、アレンジをしました。
最初は、アルバムのイメージもあったので、しっかり「ジャズ」という感じにしようと思っていたのですが、オーケストラのものを聴いたり、吹奏楽のいろんな曲を聴きながら考えているうちに、吹奏楽でやるなら、これが一番カッコいいのではないか!というアレンジにまとまりました。

ハードルあげてしまったのですが…

熊代:
スコアだけ見ているのですが、アーティキュレーションを細かく書いてくださっていて、楽しみです。

松井:
大きくスウィングとかではないので、アーティキュレーションで解釈が変わっている感じです。
元の曲のアーティキュレーションとは違った、アーティキュレーションで書いた場所が多いので、それがどうなるかが楽しみです。

東:
実は、シエナでは「死の舞踏」、去年までよく演奏していたんです。

熊代:
ですね。去年までとは変わった演奏になっているのも楽しみですね!

松井:
せっかくだからと思って、すごい大編成にしたんです。
この日いらっしゃるプレイヤー、ほぼ全員くらいです。41パートあります(笑)

熊代:
すごい!豪華ですね!

松井:
吹奏楽を書くのが初めてなので、もうドキドキです。
楽譜は完成しましたが、実際どういった音になるのか、楽しみです。

○もう一つの共演曲「アルチュニアン」について

熊代:
もう一曲定期演奏会で演奏いただくアルチュニアンの「トランペット協奏曲」は、今までに演奏されたことはありますか?

松井:
高校の卒業試験が「アルチュニアン」だったんです。高校時代一番好きな曲だったので、卒業試験に取っておいたんです。
その後ジャズに行くことが決まっていたので、クラシックを演奏するのは最後かな、と思って決めた大好きな曲です。

熊代:
カデンツァ楽しみですね!

松井:
はい。どうしましょう!(笑)

○定期演奏会のプログラムについて

松井:
プログラムを見てびっくりしました。すごいプログラムですよね。

熊代:
そうなんです!ぜひ、中高生にも来てほしくて。
シエナの定期でクラシックの奏者のソリストの演奏を聴く機会は多いと思いますが、ジャズの奏者のソリストの演奏を聴ける機会はなかなかないと思うので、ぜひ聴いてほしいなと思います。

東:
学生は高校生までは、1,000円ですよ!

松井:
私のことを知ってこの配信を見てくださっている方には、きっと吹奏楽を聴いたことがない人もいると思います。

管楽器が40人以上いる訳じゃないですか。(参考:今回は打楽器等を含めて計55人)そういう演奏を聴くことは吹奏楽以外ではあまりないんですよね。
私は息を使う楽器のエネルギーみたいなものが大好きなので、夢のようなコンサートです。ぜひみなさんに聴いていただきたいです!

■シエナとの共演への想い

○松井秀太郎さんからのメッセージ


熊代:
シエナ・ウインド・オーケストラの定期演奏会にご来場くださるお客さまへ、メッセージをお願いします。

松井:
自分も初めてだらけで、挑戦だらけなのでとてもワクワクしています。
吹奏楽を聴いたことがない方にも来ていただきたいですし、吹奏楽ファンの方にも新たな形でお楽しみいただけるかと思いますので、ぜひ、ご来場お待ちしています!

#29 MC熊代祐子 ゲストtp松井秀太郎 SIENA TUBE RADIOアーカイブ公開中!

松井秀太郎さん出演の第57回定期演奏会チケット好評発売中!

多くのみなさまのご来場を心よりお待ちしております。
本公演では、シエナ恒例のフィナーレ曲『星条旗よ永遠なれ』を、お客様と一緒に演奏する予定です。
今回は、松井秀太郎さんにもご参加いただけることになりました!
会場のみなさまと一緒に盛り上がれることを、楽しみにしております。

定期演奏会の詳細は、下記リンクよりご確認ください。

第57回定期演奏会