〜ヤングピープルズコンサート〜
トランペットを吹き鳴らせ!

YPCがとうとう関東に初上陸しました。
ゲストは原朋直さん。
トランペットが会場に響き渡った5日間でした。

関東にYPCがやってきた。        (レポート  原山佐保子)

 涼しい夏だった今年、2003年8月。ついに関東にYPCがやってきた!!
 「シエナでヤングピープルズコンサートを関東でもやって下さい!」というメールをシエナにも、個人的にも、何通となく頂いて、その度に「そうだなあ。出来れば良いなあ。」と思いつつ、こんなに早く実現することとは想像できなかった。
 「佐渡裕ヤングピープルズコンサート」は関西では毎年行われている大人気のコンサートで、TVでも放送されている。しかし関東に来るのは初めてだ。関東に住んでいる自分としては、「待ってました!」という気持ちだ。
 関東の子どもたちにも、早くこのコンサートを体験させてあげたい。シエナのHPに「ヤングピープルズコンサートを楽しむ方法」のページを作りながら、関東の子どもたちも、関西の子たちと同じく、良いノリで楽しんでくれるのだろうかと、正直ちょっと心配していた。
 しかし、これもまた後に取り越し苦労とわかった。どこの子どもたちだってやっぱり、楽しい事には敏感だった。

  ゲストの原朋直さんは、昨年、一昨年ともシエナでのYPCでご一緒しているし、今年の夏は関西のYPCからずっとと言う事で、シエナもいつもに増して良い意味で、和んだ雰囲気でリハーサルに臨めたと思う。関西でのツアーを終えて、すぐに肌寒い雨の降る、関東へ帰って来てのリハーサルは、最初の公演のある葛飾シンフォニーヒルズで行われた。
 しかし、原さんも佐渡さんもシエナのメンバーも、冷夏と悪天候を吹っ飛ばす元気さだ。
 ここ葛飾から、静岡、千葉、みなとみらい、サントリーホール、と5日間の公演が始まる。どんな子どもたちの表情が見られるか、楽しみだ。


ええ!!マーチングでロビーまで!?
みなとみらいで原さんと佐渡さん。
プレ・イヴェントに向かわれる所です。

 さて、このコンサートが始まる前には、必ずロビーでプレ・イヴェントがある。
 今回は楽器がTpと言う事で、私自身はお手伝いがなかったが、ちょっとロビーを見に行って見た。このコンサートでは、子供にはトランペットの練習用マウスピースのお土産が貰える。そこ此処で初めて触る楽器を手に、奮闘している子どもの姿。シエナのメンバーも手を貸して、子どもたちが楽器を体験できる。それに、普通ならステージの上でしか見られない佐渡さんやゲストの原さんがなんと手に届きそうに近くに現れてイヴェントをしてくれる。…すごい熱気なのだ。あたかも(すみません。)原さんと佐渡さんがディズニーランドのミッキーとミニーになったようだ・・・。私までわくわくしてきた。出来る事ならばお客さんになって、この騒ぎに参加したいのである。
 この体験は、子どもたちにとってはとても印象深いし、いい思い出になると思う。コンサートのあとで、子どもと一緒にいらしたお母さんに「うちの子はあれから家に帰るまで、ずっとマウスピースを離さなかった。」なんてメールを貰ったりすると、ああ、その子に本当に楽しんで貰えたんだな、と嬉しくなる。

 

 コンサートは最初にも書いたように、嬉しくも私の予想に反して盛り上がった。佐渡さんが舞台から降りて行って、「だれか演奏してくれる人!」と呼びかけても、最初はちょっと恥ずかしがる子もいたが、日が進むにつれ「はぁい」と率先して手をあげる子がでてきた。
 プログラムは関西の「Tpを吹きならせ!」と殆ど同じだが、年々内容はパワーアップしているし、やはり場所が違うとちょっと雰囲気も変わるので、その点では新鮮だと感じる事も多かった。
 印象的だったのは、客席の一番前に座っていた中学生。お父さんといらしているようだった。最初はクラシックやジャズには無関心、な感じだったが、そのうちちょっと表情がほぐれ、会場の皆さんで「原、原、原、さ〜ど」と歌う時も小さく歌ってくれ、その段々と変わっていく表情に、ついついインターバルのたびにちらっと見てしまい、演奏している側としては、ちょっと嬉しく感じたりもした。

 関東の子たちは関東の子なりの感じ方で、やっぱりどこでも同じように楽しんでくれるものなのだなあと感じた。

楽屋口でTpメンバーと原さん。
コルネットを吹いて「う〜ん、小回りきく!」


これがすぎうらさんと、自作楽器だ!
とても色んなもので出来ている・・・。

 話は変わるが、楽しむと言えば、この公演中、シエナのプログラムでは何度となく演奏させていただいている、「ど演歌えくすぷれす」などの編曲者である杉浦邦弘さんが、なんと聴きにいらしてくれただけでなく、わざわざ自作の楽器を持って星条旗に参加してくださった。
 なんだか一見、洗濯板(?)のまわりにタンバリンとか、シンバルとかがごちゃまんとついた楽器で、肩から背負えるようになっている。とても一言では言いあらわせないが、一目見ても全くどうなっているか判らない。見たところはおもちゃのように楽しい楽器だが、どんな音が出るのか想像できない。しかし、さすがは打楽器奏者でいらっしゃるだけあって、ちょっと鳴らして下さったのを聞くと、楽器の威力(?)はかなりあるようだ。この時ばかりは 「”百見”は”一聞”に如かず」 だった。
 杉浦さんのように、その人なりの方法を見つけ、参加する事を楽しんでくださる方が、最近だんだん増えてきつつあるように思い、嬉しく思う。
 
 時々、シエナの掲示板でも「どうやって参加したらいいのですか」と言う質問がされる事があるが、星条旗に参加するのに決まりはなにもなくて、今回の星条旗に参加された方々の中にも、手作り楽器とか、オカリナとか(オカリナで星条旗はとても難しいと思うが)とてもバラエティーに富んだ楽器が見えた。気負わずに、どんどん参加していただけたらと思う。参加できるコンサートの楽しさを、もっともっとたくさんの人に知ってもらえたらどんなにいいだろう。

 後半2日間はシエナのホームとも言うべき、みなとみらい公演、そして最終日は赤坂、サントリーホールだ。他の会場でももちろん子どもたちのいい表情が見られたが、この2公演はさらに盛り上がった。
 「楽器を演奏してくれる人!」という呼びかけに、この声を確信していたかの如く、手をあげ、ステージの後ろ側の席から客席に向かってフルートをかまえ、堂々と素晴らしい演奏をしてくれた男の子がいた。
 さらには大人の方までも自前の楽器で、大ホールでのデビューに加わった。千人を越す人の前で演奏するのはとても勇気が要ったことだろうと思うが、皆さんとても堂々として吹いていらした。
 このコンサートは、子どものためのコンサートだが、大人の方もぜひ、楽しんで頂きたいと思う。子どもにとっては音楽との良い出会いの出来るコンサート、大人にとっては出会いももちろんだが、音を楽しむ事を、自分で演奏する事の楽しさを、再認識できるコンサート。子どもだけが楽しんでいればいいという気持ちは会場の入り口までだ。ロビーに入った時から、そしてコンサートの間は、舞台からも、「入っておいでよ!」と呼びかけられる。・・・どうしても参加したくなってしまう、そんな魔法のような力のあるコンサートだと思う。
 
 コンサートが終わってから、シエナにも、私個人にもたくさんのメールを頂いた。皆さん押並べてとても楽しかったと書いてくださっていた。コンサートを通じて子どもたちが素直な気持ちで音楽に接することが出来るのは素晴らしいと思うし、子どもたちのちょっとシャイな心をあったかくほぐしてあげ、解き放ってあげるようなこのコンサートに演奏者の一員として参加する事ができて、とても光栄だと思っている。
 YPCの夏が終わると自分の心にも思い出が出来る。
 シエナの演奏会でのお約束、「星条旗よ永遠なれ」の演奏で、子ども達が恥ずかしがらずに舞台にあがって来てくれただけでなく、どんどん自分の行きたい場所に行って演奏してくれた事、演奏している時の一生懸命な顔、そして演奏が終わった時のちょっと誇らしげな顔が思い出されると、今でも心がじんとなる。
 出来るならば全国にYPCの風が吹きわたっていって、日本中の子どもたちの心の片隅をほんわりと暖かくする思い出を、コンサートによって作ることが出来ればいいだろうなあと思う。
 次に子どもたちのあの顔に出会える日はいつになるだろうか。


佐渡裕ヤングピープルズコンサートのサイト
Nestleのページ
http://www.nestle.co.jp/spirit/ypc2003/