〜2003 佐渡 裕ヤングピープルズコンサート〜
I got rythm!

No.1
2001年、「トランペットを吹き鳴らせ!」から2回目の出演となるYPCです。
今回は、原 朋直さんと ニューヨークカルテットの方がゲストで、テーマはリズムでした。

2003 ヤングピープルズコンサート (レポート 西田紀子)


今年も本当に沢山の子供たちが会場に足を運んでくれました。
今年のテーマはアイガットリズム!
子供たちには、スティックと佐渡さんの顔イラスト付きの簡易タイコが配られました。
開演前から、子供たちのテンションはもうずーっとあがりっぱなし!
それもそのはず。
ロビーの楽器体験コーナーで思いっきりドラムセットや太鼓を叩いたり
珍しい外国の打楽器の音に耳をすませたり。
そんな中、指揮者の佐渡さんが直接笑顔で子供たちとおしゃべりしたりして
コンサートホールに初めて来た子もその楽しい雰囲気にすっかり馴染んでしまったようでした。
どの子も、これから始まるコンサートをワクワクドキドキしながら待っていたに違いありません。
舞台袖からのぞいた開演直前の客席はすごかった!
手に手にスティックを持った子供たちが、佐渡さんの顔(簡易タイコ)めがけてポコポコ、ポコポコ。
ポコポコの音が会場中に広がって、若いエネルギーが大爆発しているように聞こえました。



そして。。。コンサートが始まります。
佐渡さんが今日のコンサートは特別なコンサートです、と会場に語り掛け、
今回のテーマ「リズム」について分かりやすくお話をしてから演奏が始まりました。
一曲目のシェヘラザード4楽章には、印象的なリズムが沢山出てきます。
テンポがくるくると変化したり、急にリズムが変わったりすると
体をゆすってリズムそのものになっている子供(や大人)が沢山いました。
ヤングピープルズコンサートの醍醐味は、子供も楽しめるコンサートであるのはもちろん、
大人も、まるで子供のようになって楽しめるコンサートなんだな!と、あらためて感
じた瞬間でした。
さて、今回のゲストはジャズトランペット奏者 原朋直さん率いる、ニューヨークカルテット。
クラシックコンサート用の大ホールでジャズが演奏される機会は少ないと思いますが、
型にとらわれず、誰もが音を楽しめる空間であるように…。
そんな気持ちがまたヤングピープルズコンサートの面白さに繋がっているのかもしれません。
特にドラムのナシート氏の手も足も千手観音状態的超絶ドラムソロに、
しばしここがどこなのか忘れ去ってしまうほどに魂を奪われてしまいました。
おそらく誰もが「ドラムって、かっこええ〜」と思ったに違いありません。

ここで、早速子供たちにこのかっこいいドラムセットへの第一歩を歩んでもらおう!
ということで、会場から選ばれた3人の子供達に舞台へ上がってもらい、
ドラムセットを分解した形の、スネアドラム、シンバル、大太鼓、
それぞれの楽器を1つずつやってもらうことになりました。
子供たちを温かい笑顔で見守るナシート氏、元気づけ、勇気づける佐渡さん、
子供たちのそばで一緒に楽器を演奏するシエナのメンバー。
全身でリズム、楽器になりきっている子供たちの姿に楽器を始めたばかりの頃の自分の姿が
重なって、思わず涙ぐむシエナのメンバーも少なからずいたようです。
「一緒にやろう!!」
いつしか会場にも、シエナの中にも、3人の子供たちの生み出すリズムを
優しくそして力強く支えてあげたい、そんな気持ちが自然に湧き起こっていました。
会場からは子供たちの刻むリズムと一緒の手拍子が自然に湧き上がりました。
この最高のリズムにのって「アイガットリズム」をシエナ、原&ニューヨークカルテット、
みんなで演奏しました。
楽器を初めて触った時の喜び、初めて音が出せた時の感激。
そんな思いを再び味わいながら演奏していたような気がします。



後半、子供たちに配られていたスティックと簡易タイコがいよいよ活躍します。  
4分音符は「パン」8分音符は「ネギ」3蓮符は「トマト」16分音符は「タケノコ」というように音符に食べ物の名前をあてはめて、叩いていきます。子供たちはもうノリノリ。
聴くだけじゃなくて、音楽に参加することの楽しみを全身で感じてもらえたようでした。
 参加することの楽しみといえば、シエナのコンサート恒例のアンコール「星条旗よ永遠なれ」。もちろん、このヤングピープルズコンサートでもありました。
 子供たちは本当に嬉しそうに、思い思いの楽器や指揮棒を手にどんどん舞台にやってきます。今回はスティックを持った子が多くて、ドラムのナシート氏はたちまち大勢の子供たちに囲まれてしまいました。子供たちに負けないくらいのとびきりの笑顔で、ナシートはドラムの椅子を回転させて子供が座れるように低くしてあげてました。
多くの子供たちにとって、今日のヤングピープルズコンサートを通じて一番仲良しになったのはドラムのナシートだったのかもしれません。音楽の不思議な力は、コトバも何もなくても、人を大好きになれたり、仲良しになれたりするのかもしれません。ナシートをぐるりと囲んだ子供たちのキラキラ輝く目を見て、そんなことを思いました。
 ヤングピープルズコンサートは大人も子供のように楽しめるコンサート!と冒頭に書きましたが、きっと、このコンサートに関わったすべての人が子供のように一心に「好き」という気持ちを大事にできるコンサートなんだな、と思います。

 ずっとずっとこのヤングピープルズコンサートが続きますように。
 そしてずっとずーっと子供たちが大きくなっても、この日の音が心の中で鳴り響いて
いますように。   (シエナ・ウインド・オーケストラ Fl.奏者 西田紀子)



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