2003年6月 「ブラスの祭典2レポート」(選曲編)

by 中村睦郎(ユーフォニアム奏者)


「ブラスの祭典2」の企画が上がってきて、私達に架せられた最大のテーマは前作「ブラスの祭典」を超えることでした。
3千枚売れれば大ヒットの吹奏楽のCDが、3万枚もの驚異的な売り上げを記録した後だけに、
内容、売り上げ共にその上を行くことの大変さは皆が理解していました。

まずは選曲会議からのスタートです。
前作同様に、まるでコンサートを聞いているかのようなプログラミングを心掛けました。
まずはプログラムのメインから。さまざま候補はありましたが、祭典に相応しい曲と言うことで「ローマの祭り」に決まりました。
「ローマの祭り」は吹奏楽で頻繁に取り上げられる曲目で編曲も数多くありますが、
単に取り上げるだけではつまらないと言うことと、以前からシエナのオリジナルライブラリーを持ちたいと言う希望から
ニューアレンジを委嘱することになりました。(アレンジャーは森田一浩氏。)
オルガンにマンドリン、バンダのトランペットを加えてのこの壮大な交響詩は、吹奏楽の魅力を存分に表現してくれました。
そして祭りで燃えた心をクールダウンしてくれる意味でロンドンデリーをディスクの最後に持ってきました。

次にオープニングですが、シエナらしくフレッシュで理屈抜きにカッコイイ曲と言うことで、
プロデューサーの中島氏がJ.ウイリアムスの「オリンピック・ファンファーレ&テーマ」を提案。
トランペットの難しいファンファーレもシエナのTpセクションにとっては朝飯前と言うことで決定!
ここまでは随分すんなりいきました。

次は吹奏楽のオリジナル作品です。新しい物も取り上げたい気持ちはあるのですが、
内容的に高いもの、今後数十年経っても演奏され続けているであろう曲となると
やはりG.ホルストやA.リードの作品が上がってきます。
ネリベルは佐渡さんの思い入れの強い作曲家ということで、当初は「交響的断章」が候補に上がっていました。
ホルストの「吹奏楽のための第一組曲」と「交響的断章」というかなり王道的な選曲でまとまりそうになった時、
「2つの交響的断章」の名演ってないよなあ〜という悪魔のささやきが・・・。
時間的にも音楽的にも2つの〜の存在感は桁ちがいに凄い。考えに考えての選択でした。
(全体を左右する選択でしたが、ネリベルワールド炸裂で大成功!佐渡さんとの相性は抜群でした!!)
さあオリジナル2曲目が困りました。これは結局答えが出ないまま次回会議までの宿題となりました。

そんなみんなが行き詰まっている時に佐渡さんの天使のメールが!
恩師バーンスタインの「プレリュード・フーガ&リフス」の登場です。
後から聞いたのですが、バーンスタインがウイーンフィルと演奏したときに佐渡さんはアシスタントをしていらしたそうです。
佐渡さんにとってこの曲は本当に大切な曲だったんですね。
その曲をシエナで録音することは私達にとってとても嬉しいことでした。
そしてこの曲を演奏するのに必要な強力な助っ人も決まりました。ピアノの白石准さんとドラムスの則竹裕之さんです。
佐渡さんの感性に共感する方々は音楽に対して本当に純粋で、
タイプやジャンルはちがってもシエナと相性バッチリなのが不思議です。
また則竹さんの天使の輪とトークは女性団員をいつも以上にやる気にさせてくれました。
これにシエナの十八番の「エルザの大聖堂への行列」を加え「ブラスの祭典2」のプログラムは決定しました。

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