by 本田悠人(音楽ライター)
コラム第3回「パガニーニの主題によるアンサンブル大会?!」
ジェイムズ・バーンズ。1949年オクラホマ生まれの作曲家で、カンザス大学に学び、現在同大学で教授を務めている。
吹奏楽に詳しい人であれば彼の代表作として、いろいろな曲が挙がることだろう。そして「昔スイソウガクをやってた」くらいの人にとっても、《アルヴァマー序曲》の作曲者として知られているのではないだろうか。親しみやすいメロディー、明快な楽曲構成、そして適度な難易度。単一の曲の演奏頻度としては群を抜いているのではないだろうか。
さて、その《アルヴァマー》を書いているバーンズだが、冒頭にも書いたように現役でバリバリ吹奏楽にのめりこんでいる方々はまた違った曲を代表作としてあげるのではないだろうか。
例えば、現在までに5曲かかれている交響曲。とりわけ《交響曲第3番》作品89の人気は高く、演奏会はもちろんのこと、近年では吹奏楽コンクールの自由曲としてさえも頻繁に取り上げられている。
また、シエナ・ウインド・オーケストラでも、去る11月に行われた「野中貿易株式会社設立55周年記念特別演奏会」において、バーンズの《交響的序曲》作品80を取り上げている。
話が突如脱線するが、この曲の1フレーズがかの人気ドラマ「のだめカンタービレ」第1話において使用されていたことに気づいた方はどのくらいいるだろうか。筆者は思わず手をたたいてはしゃいでしまったくらいなのだが。
例えば、現在までに5曲かかれている交響曲。とりわけ《交響曲第3番》作品89の人気は高く、演奏会はもちろんのこと、近年では吹奏楽コンクールの自由曲としてさえも頻繁に取り上げられている。
また、シエナ・ウインド・オーケストラでも、去る11月に行われた「野中貿易株式会社設立55周年記念特別演奏会」において、バーンズの《交響的序曲》作品80を取り上げている。
話が突如脱線するが、この曲の1フレーズがかの人気ドラマ「のだめカンタービレ」第1話において使用されていたことに気づいた方はどのくらいいるだろうか。筆者は思わず手をたたいてはしゃいでしまったくらいなのだが。
本題に戻って。そんなバーンズの作品の中から、今回佐渡&シエナが取り上げるのは《パガニーニの主題によるファンタジーヴァリエーションズ》。なにやら長いタイトルであるが、それこそ「のだめ」のブームが来る前から原作を読んでいたようなクラシック好きの方々であれば、この作品のタイトルにラフマニノフやブラームスといった作曲家たちの名前を思い浮かべるのではないだろうか。
パガニーニの主題、ヴァイオリンの鬼才と呼ばれたニコロ・パガニーニ(1782-1840)が無伴奏ヴァイオリンのために書いた《24の奇想曲集》作品1、その最終曲第24番の主題のことである。この作品集は練習曲的な位置づけで書かれているが、ただし「芸術家のための」との添え書きが示すとおり、並外れた技術が要求される音楽である。
主題そのものはそんなに複雑でないため、筆者としてはどの程度のものかな、くらいの気持ちで今回改めて原曲を聴いてみたのだが、たまげた。
第1番冒頭からして超絶技巧。書き始めると止まらなくなってしまいそうなのでこれ以上は言及を避けるが、ぜひ管楽器好きのみなさんにも触れて欲しい曲である。
そんな曲がそれでいて無伴奏なのである。だからこそその曲をピアノ曲であったり合奏体にしてみたいと思うのはごく自然なことであろう。
そのためシューマンやリストをはじめ、多くの作曲家たちがこの曲集を題材にした変奏曲の作曲に挑戦してきたのである。
とりわけ、第24番はもともとが変奏曲として書かれていることから、同じ主題を用いてさらにどれだけ見事な変奏曲にできるか。先人たちと同じ挑戦をするということは大変なプレッシャーのかかる作業であろうし、またそれを超えてみせるという一種自信の現れではないだろうか。
主題そのものはそんなに複雑でないため、筆者としてはどの程度のものかな、くらいの気持ちで今回改めて原曲を聴いてみたのだが、たまげた。
第1番冒頭からして超絶技巧。書き始めると止まらなくなってしまいそうなのでこれ以上は言及を避けるが、ぜひ管楽器好きのみなさんにも触れて欲しい曲である。
そんな曲がそれでいて無伴奏なのである。だからこそその曲をピアノ曲であったり合奏体にしてみたいと思うのはごく自然なことであろう。
そのためシューマンやリストをはじめ、多くの作曲家たちがこの曲集を題材にした変奏曲の作曲に挑戦してきたのである。
とりわけ、第24番はもともとが変奏曲として書かれていることから、同じ主題を用いてさらにどれだけ見事な変奏曲にできるか。先人たちと同じ挑戦をするということは大変なプレッシャーのかかる作業であろうし、またそれを超えてみせるという一種自信の現れではないだろうか。
そうして1988年に書かれたバーンズの作品、見事な変奏曲に仕上がっている。何が見事かと問われれば、吹奏楽の色彩感を最大限に生かして変奏している点だろう。
以下、少し長くなるが順に見ていこう。
以下、少し長くなるが順に見ていこう。
冒頭は四分の二拍子アレグロ・リゾルート、フォルティッシモの全合奏で幕を開ける。が、それはわずか6小節にとどまり、ホルンとファゴットによる前奏へ。そして、オーボエによってパガニーニの「主題」が奏でられ、第1変奏は全体合奏。
ここからがこの変奏曲の面白いところであるが、第2変奏はクラリネットのユニゾンによる技巧的なパッセージ、第3変奏は怪しげなトロンボーンの伴奏の上でコントラアルト・クラリネット(!)による極低音のソロ。
第4変奏でピッコロとフルートが駆け回ったかと思えば、第5変奏はテューバとユーフォニアムによるアンサンブル。第6変奏はファゴットはじめ低音木管楽器によるアンサンブル。第7変奏でニ短調に転じると、オーボエソロからサクソフォーンアンサンブル(第8変奏)へと哀しげなメロディーが続く。
第9変奏はアレグロ・ヴィーヴォ。バスクラリネットのアンサンブルにヴィブラフォーンが加わり(第10変奏)、第11変奏ではトランペットがベルトーンも交えて勇壮なメロディーで駆け抜ける。第12変奏はトロンボーン、そして第13変奏はホルンと進んでいくが、途中からは対旋律に移るというのもいかにもホルンらしい。そして第14変奏は金管楽器が総力を挙げて突き進む。
ここでアダージョになり、主題を奏でたオーボエが再び場面の転換を告げると、第15変奏はユーフォニアムとアルトサックスのデュエット。そして短調から長調に転じた第16変奏はイングリッシュホルンにより伸びやかに歌われ、やがて他の楽器も加わって感動的な中間部を成す。
第17変奏はシロフォンからはじまる打楽器アンサンブル、ここで冒頭と同じイ短調に帰ってくると、木管合奏(第18変奏)、金管+Sax合奏(第19変奏)、そしてフィナーレとなる第20変奏は壮大な吹奏楽で全曲を締めくくる。
ここからがこの変奏曲の面白いところであるが、第2変奏はクラリネットのユニゾンによる技巧的なパッセージ、第3変奏は怪しげなトロンボーンの伴奏の上でコントラアルト・クラリネット(!)による極低音のソロ。
第4変奏でピッコロとフルートが駆け回ったかと思えば、第5変奏はテューバとユーフォニアムによるアンサンブル。第6変奏はファゴットはじめ低音木管楽器によるアンサンブル。第7変奏でニ短調に転じると、オーボエソロからサクソフォーンアンサンブル(第8変奏)へと哀しげなメロディーが続く。
第9変奏はアレグロ・ヴィーヴォ。バスクラリネットのアンサンブルにヴィブラフォーンが加わり(第10変奏)、第11変奏ではトランペットがベルトーンも交えて勇壮なメロディーで駆け抜ける。第12変奏はトロンボーン、そして第13変奏はホルンと進んでいくが、途中からは対旋律に移るというのもいかにもホルンらしい。そして第14変奏は金管楽器が総力を挙げて突き進む。
ここでアダージョになり、主題を奏でたオーボエが再び場面の転換を告げると、第15変奏はユーフォニアムとアルトサックスのデュエット。そして短調から長調に転じた第16変奏はイングリッシュホルンにより伸びやかに歌われ、やがて他の楽器も加わって感動的な中間部を成す。
第17変奏はシロフォンからはじまる打楽器アンサンブル、ここで冒頭と同じイ短調に帰ってくると、木管合奏(第18変奏)、金管+Sax合奏(第19変奏)、そしてフィナーレとなる第20変奏は壮大な吹奏楽で全曲を締めくくる。
以上、全曲を通すと15分。なかなかの重厚な作品である。さながら1曲の中で、同じメロディーを用いてのアンサンブル大会といったところであろうか。こういった作品こそぜひ実演で、耳だけでなく視覚でも楽しんでいただきたいものである。
それぞれにも活躍しているSWOの面々が今回のステージでどのようなアンサンブルの妙技を見せてくれるか、今から大いに楽しみである。
それぞれにも活躍しているSWOの面々が今回のステージでどのようなアンサンブルの妙技を見せてくれるか、今から大いに楽しみである。


